社員がメンタルヘルス不調になってしまった
メンタルヘルス不調とは
精神及び行動の障害に分類される精神障害や、自殺のみならず、ストレスや
強い悩み、不安など労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える
可能性のある精神的及び行動上の問題。
(厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」2006年」
メンタルヘルス不調代表例
1.うつ病(単極性気分障害)
日本人口の2%~5%とみられたり、100人に3人~7人という調査結果が
発表されたり、今まで、社会適応に不自由なかった人に起こる傾向で以下の
状態が顕在します。
落ち込み、不安、憂うつ、おっくう、感情低下、睡眠障害、食欲不振、
集中力の低下など
2.躁うつ病(双極性気分障害)
落ち込みや憂うつの状態と、気分がハイになる躁状態とが交互に現れる病態です。
3.統合失調症
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病態で、幻覚と
妄想が主な症状としてみられ、幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が
聞こえる幻聴が多くみられます。また、主な症状がおさまっても意欲の低下、
感情表現が少なくなる事があります。
4.アルコール依存症
大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないといられなくなる
状態。その影響が精神面にも、身体面にも表れ、仕事ができなくなるなど
生活面にも支障が出てきます。
5.パニック障害
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった
発作を起こし、そのために生活に支障が出ている病態です。
6.適応障害
適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく
感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。
7.睡眠障害
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態
メンタルヘルス不調発生時の生活上のサイン
・原因不明の体調不良
・食欲低下
・睡眠障害
・飲酒量の増加
・仕事の能率が低下する
・仕事のミスやロスが増える
・遅刻、早退、欠勤が多くなる
・あいさつやつきあいを避ける
・他人の言動が気になる
・態度が落ち着かずイライラ
・口数が減る(もしくは増える)
・考え込む
・些細なことで怒る、反抗する
メンタルヘルス不調者発生時に陥りやすい企業の対処例
・就業規則(休職制度)の有無
・現在の貴社に合った就業規則(休職制度)であるか
・休職制度の運用は会社主導で作られているか?
↓
・メンタルヘルス不調者が発生した場合を想定した休職制度になっているか?
・メンタルヘルス不調者がどのような状態になれば休職と認めるのか?
・休職の決定は誰が決めるのか?会社主導?医師の診断書?従業員の申立て?
メンタルヘルス不調者を発生させない方法
メンタルヘルス不調は発生後の対処以上に予防が大事
カギになるのは「ラインによるケア」
①会社の上司が日頃の職場環境の把握改善
②部下等との日常的コミュニケーションによる異常の早期発見
③部下の相談対応を行う
・メンタルヘルスケアに関する事業者方針の意義 (会社のトップが人的資本を大事にする意思が大切)
↓
・心の健康づくり体制の整備 (会社内でメンタルヘルス不調予防のための
職場改善取組計画)
↓
・事業場内での問題点の把握
↓
・4つのケア
「セルフケア」
「ラインによるケア」
「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」
「事業場がい資源によるケア」
↓
・メンタルヘルス不調予防こそ最大のメンタルヘルス不調対策となり得ます!